

“LIDE”STYLE -日々のノリモノ- vol.5
ビームスに関連のあるヒトたちの「ノリモノ」とそこにまつわる「ライフスタイル」を覗き見る連載「RIDE ON」。
登場人物たちの個性豊かなLIDESTYLEを紹介します。
今回は、中古バイク市場が活況を見せるなか街乗り用バイクとして、ホンダの希少車種を購入したビームスきってのバイク好きです。
「カスタムしたいけど、ノーマル状態がもはや希少だから悩ましい」と愛車のこれからの方向性に頭を悩ます姿も、楽しそうでした。
【ノルヒト】原 宗平(ビームス プロデューサー)

ビームスが培ってきたブランディングのノウハウを駆使し、ファッションはもちろんそれ以外の多種多様な業種のメーカーやブランドとタッグを組み、企画や制作を行うプロデュース部。そのプロデューサーを務める原さんが、いま熱を上げているのはヴィンテージモトクロスです。
そもそも過去にかなりの数のバイクに乗ってきたという原さん。そんなバイク通が現在の相棒がHONDA のXL250Sでした。なぜ、いまヴィンテージモトクロスなのでしょう?

「それこそ10代の頃はストリートブームもあって、セローやTWに憧れ、そして実際に乗っていました。いまのヴィンテージモトクロスへの回帰は結局、当時のストリートバイクへの憧憬に似ている気がします。ハーレーに乗っていた時期もありましたし、子どもが産まれてからはモンキーやヤマハのBW’Sなど小さいバイクにも乗りましたが、なかなかしっくりこなくて。結局、10代の頃に好きだったものって、割と純粋に自分の“好み”であり、ルーツでもあって、一周回って戻ってきたのかな?って感じです」
幅広いバイク遍歴を持ちつつ、最終的には現在のスタイルに戻ってきたという原さん。
なるほどバイクとファッションは密に繋がっており、自身のライフスタイルの根底から、このXL250Sが最上の選択といえるワケのようです。

【ノリモノ】HONDA XL250S

年式:不明
購入:2020年
購入価格:about¥40万
1978年に登場し81年まで生産され、後継のXL250Rへと系譜が続いていくXL250S。
燃えるような赤と黒のツートン。そして前後で18、23inchと大きく異なるタイヤがなんともアイコニックな一台です。
「ホンダのオフ車らしいこのカラーリングがどうしても欲しくて、中古車市場を血眼で探しました。ちょうどコロナ禍のタイミングでもあり、バイクの中古車が軒並み品薄で大苦戦。最終的に個人所有の方と出会い、譲っていただきました」と、出会うまでにはかなり苦労した一台だけに思いも一入。



基本的に純正どノーマルの一台であり、そのことがまたひとつの悩みだとか。
「気持ち的にはガラッとカスタムして見た目を刷新したいのですが、このベーシックなスタイルがいまや希少らしく……もどかしい日々を送っています。2年間このスタイルで乗ったからいいかなぁと思いつつ、もったいないかぁって気持ちもあって。非常に悩ましいです(笑)」

そんな中、気になる箇所がフロントフェンダー。この白いパーツは明らかにカスタムの跡が見られます。
「ここは過去のオーナーが拡張したみたいです。フェンダーが細いので、泥除け機能に不満があったんですかね? ワイドになっています。なんで白?って最初は思いましたよね。しかも付け方も雑ですし(笑)。だけどなんか妙に愛着が湧くというか、いまはこれがアイデンティティ的なところがあり、気に入っています」
ちょっと時代を感じるいなたさがかえって良いんですよね。
【ノルモノ】Weatherproof Items

基本街乗りオンリーで常にバイクを乗っていく場所を探していると笑いながらに話す原さんですが、乗り出す時、天候の変化には常に備えているそうで、リュックの中にはゲイターやレインジャケットが入っています。
「何しろバイクに乗って出かけるところがない(笑)! クルマがあって、子どもがいるとなおのこと乗ることが減りましたねー。でもやっぱ好きなのでたまに目的もなく走ります。そういう時でも天候の変化には常に気を付けています。思ったより冷えるなって時や、万が一雨が降ってきた時の備えって大事です」

そして中でも目を引くのがやはりヴィンテージのモトクロスヘルメット。10年以上前に購入したもので、今も大事に使っているという欠かせない道具のひとつです。まさに原さんの“LIDE STYLE”を象徴するアイテムですね!
【RIDE ON】To Be Continued

※撮影場所では走行しておりません。
40年以上も前の一台ながら、いまなおキック一発でエンジンは始動。
そんな極上の一台を楽しそうに乗る原さんは、カジュアルなウェアに古いパタゴニアのバックパックを背負い、ヴィンテージのモトクロスヘルメットをカブったスタイルが板に付いています。
出会った瞬間からXL250Sを選んだということに納得でした。
次回の「”LIDE”STYLE -日々のノリモノ-」もお楽しみに。
See You Again!
取材 / 文:岡本546
写真:菊地 晶太