HOW TO BE BIG

HARAJUKU BEAMS 2021 SPRING SUMMER

HARAJUKU BEAMS 2021 SPRING SUMMER

issue:

2021
February

6 STYLES

いつの間にかグラフィックだらけのセットアップや、

ネオンカラーの服が街から消えて、
ベーシックな色が溢れてる。

つまらない日常のせいか、どこにも遊びにいかないからか。

けれどそんなときにも街に出よう。
定番色こそ遊べる服で自分を出せるもの。

部屋着ばかりじゃなくてさ、
季節の風をうけてなびく服を身にまとい、

胸を張って街に出よう。
ビッグシティにはビッグな服が似合うのだから。

01

BIG SIZE SHIRT × HEAVY WEIGHT T-SHIRT × 6 POCKET CARGO PANTS × NIKE AIR MAX 95

BIG SIZE SHIRT × HEAVY WEIGHT T-SHIRT × 6 POCKET CARGO PANTS × NIKE AIR MAX 95 × 

BIG SIZE SHIRT × HEAVY WEIGHT T-SHIRT × 6 POCKET CARGO PANTS × NIKE AIR MAX 95 × 

BIG SIZE SHIRT × HEAVY WEIGHT T-SHIRT × 6 POCKET CARGO PANTS × NIKE AIR MAX 95 × 

KEY ITEMS
ITEM DESCRIPTION
by MOTOKI YOSHIKAWA (BEAMS Men's Casual Director)

一見シンプルなボックスシルエットのシャツを、Mサイズで身幅165㎝のビックサイズに設定。ただ大きくしているだけではなく、裄丈をおさまりの良い長さに、袖口もたまりが出来るよう適度な大きさに調整。さらに、通常はドレスシャツに使われるような細番手、高密度のキレイ目な素材を選定することで全体的に上品さもプラスして整えています。シャツとしての着用はもちろん、インナーにパーカーなども着れるサイズ感であることから、軽アウターとしても使い勝手の良い万能なアイテム。

穿きたい軍パンといえばM-51。オリジナルのデザインを踏襲しつつ、オーバーサイズにアップデート。ただ大きいだけではなく、ナイロン/コットン素材の生み出すドレープ感、ドローコードを絞った時のメリハリ感を意識したワイドシルエットのデザインにしています。

STYLING POINT
by TEPPEI (STYLIST)

スタイリング的には柄などを入れると奥行きが出るのですが、あえてホワイトとオリーブに色数を絞り、シンプルな配色にすることで潔く、シルエットのボリューム感にフォーカスしています。シャツは身幅の広さを活かすため、生地にハリがあるビッグサイズのTシャツをインナーに合わせてトップスの大きさを強調。パンツは、裾のドローコードを絞ることでバルーンシルエットに。『ナイキ エア マックス 95』を履くときはパンツの裾が被らないように絞った方がバランスもいいと思います。

02

LOOSE DOUBLE RIDERS × BORDER EASY SWEAT × 6 POCKET SWEAT PANTS × BUCKET HAT × NIKE DUNK LOW

LOOSE DOUBLE RIDERS × BORDER EASY SWEAT × 6 POCKET SWEAT PANTS × BUCKET HAT × NIKE DUNK LOW × 

LOOSE DOUBLE RIDERS × BORDER EASY SWEAT × 6 POCKET SWEAT PANTS × BUCKET HAT × NIKE DUNK LOW × 

LOOSE DOUBLE RIDERS × BORDER EASY SWEAT × 6 POCKET SWEAT PANTS × BUCKET HAT × NIKE DUNK LOW × 

KEY ITEMS
ITEM DESCRIPTION
by MOTOKI YOSHIKAWA (BEAMS Men's Casual Director)

ジャストサイズで着るのが定番のライダースをオーバーサイズで提案することでストリート感をプラス。アメリカ製のライダースを感じさせる、クラシカルなデザインをベースに、ただサイズアップすると辻褄の合わないライダースのシルエットを調整しながら、デニム・かつらぎ素材を使用することで、メゾンブランド的解釈も加えています。

90sストリートの定番だったビッグシルエットのワイドピッチマルチボーダー。ただの復刻というわけでなく、MVS紡績の糸を表糸に使用したことで、表面がフラットで毛羽立ちにくくなり、ドライタッチのシャリ感と発色の良さもポイントです。生地感は新品でありながら、カラーリングは古着、それがこのボーダースウェットの特徴です。

STYLING POINT
by TEPPEI (STYLIST)

今ある服の多くは、アイテムのモチーフやデザインテイストを年代で切って表現することができます。このスタイリングでは異なる年代のアイテムをクロスオーバーさせていて、デニムのライダースは00s、マルチボーダーのスウェットが90s、スウェットパンツのシルエットやセーラーハットはここ数年のイメージです。年代を問わずにいいと思うものを自由にピックアップすることこそ現代的なスタイルともいえるし、一筋縄ではいかないボリューム感もカジュアルな素材合わせだからこそまとまりが出ます。

03

PULLOVER HOODIE × HEAVY WEIGHT T-SHIRT × SWEAT PANTS × WATCH CAP × NEW BALANCE 991

PULLOVER HOODIE × HEAVY WEIGHT T-SHIRT × SWEAT PANTS × WATCH CAP × NEW BALANCE 991 × 

PULLOVER HOODIE × HEAVY WEIGHT T-SHIRT × SWEAT PANTS × WATCH CAP × NEW BALANCE 991 × 

PULLOVER HOODIE × HEAVY WEIGHT T-SHIRT × SWEAT PANTS × WATCH CAP × NEW BALANCE 991 × 

KEY ITEMS
ITEM DESCRIPTION
by MOTOKI YOSHIKAWA (BEAMS Men's Casual Director)

日本に数台しかないポリウレタン混で編み立てができる特殊な編み機で生み出された360°ハイストレッチのミニ裏毛を使用したイージーフィットパーカーとパンツ。生地の厚みはなくてもキックバックに優れ、適度な張り感が特徴。また、立体的なシルエットも作りやすく、スウェットパンツの欠点である膝の伸びを最小限にできる最適な素材です。イージーフィットにデザインされたこのセットアップは年代も選ばない、家着にも、街着にも使えるニューノーマルな時代にふさわしいアイテムです。

STYLING POINT
by TEPPEI (STYLIST)

スウェットのセットアップって簡単なようで街着としてのハードルが高いと思うんです、どうしても部屋着感が拭いきれないというか。でもこのスウェットは生地の風合いがよく、シルエットのバランスの良さも相まってだらしなさがなく、むしろスタイリッシュです。ともするとラグジュアリーな印象になってしまうので、ビーニーの被り方やインナーのTシャツの色合わせ、足元の〈ニューバランス〉でチューニング。ワンマイルウエア的なリラックススタイルでありながらも街着としてしっかり成立しています。

04

EASY COVERALLS × BANDANA HOOD SHIRT × THERMAL CUT AND SEWN × PARACHUTE PANTS × WATCH CAP × NIKE DUNK HIGH

EASY COVERALLS × BANDANA HOOD SHIRT × THERMAL CUT AND SEWN × PARACHUTE PANTS × WATCH CAP × NIKE DUNK HIGH × 

EASY COVERALLS × BANDANA HOOD SHIRT × THERMAL CUT AND SEWN × PARACHUTE PANTS × WATCH CAP × NIKE DUNK HIGH × 

EASY COVERALLS × BANDANA HOOD SHIRT × THERMAL CUT AND SEWN × PARACHUTE PANTS × WATCH CAP × NIKE DUNK HIGH × 

KEY ITEMS
ITEM DESCRIPTION
by MOTOKI YOSHIKAWA (BEAMS Men's Casual Director)

40~50sのカバーオールのオーセンティックなディテールを踏襲しながらも、通常スーツやコートに使用されるウール/ポリエステルツイルを使用することでクリーンな表情に一変しました。シワになりにくく、程よいストレッチ性も持たせています。オーバーシルエットのデザインに負けないようパッチポケットも大きく、マチをプラスすることで全体のバランスを整えています。

カバーオールと同素材のパラシュートパンツ。こちらもカバーオール同様に、ルーズなシルエットに負けないよう、それぞれのポケットを大きくデザインし、腰回りもベルトループではなくイージーパンツ仕様に変更。独特のドレープ感を出すことで、90sストリートを代表するものだったこのパンツに新しい表情を加えました。

STYLING POINT
by TEPPEI (STYLIST)

カバーオールとパラシュートパンツのセットアップという、本来はあり得ない組み合わせが面白い。ウール/ポリエステルツイルの光沢と落ち感が絶妙で、ワークやミリタリーが持つ土臭さを払拭しています。このルックではオレンジのビーニーとペイズリー柄のフード付きシャツを使っていますが、セットアップが上品に整っているので白いTシャツ一枚でもスタイリングは完成します。個人的には他のアイテムはちょっと冒険するくらいの方が自分らしく楽しめますし、おすすめです。

05

MA-1 × GREAT MAN SWEAT × DYE DENIM × RED WING IRISH SETTER

MA-1 × GREAT MAN SWEAT × DYE DENIM × RED WING IRISH SETTER × 

MA-1 × GREAT MAN SWEAT × DYE DENIM × RED WING IRISH SETTER × 

MA-1 × GREAT MAN SWEAT × DYE DENIM × RED WING IRISH SETTER × 

KEY ITEMS
ITEM DESCRIPTION
by MOTOKI YOSHIKAWA (BEAMS Men's Casual Director)

ヴィンテージのMA-1のオーセンティックなディテールを活かすため、腕に沿うようなカーブ袖や太番手のステッチングでパッカリングを出すなど細部にまでこだわりました。巷に溢れるただのオーバーサイズのMA-1との大きな違いは袖。袖口にタマリがでるよう裄丈を長くし、袖全体を大きめに設定。オリジナルに近い見え方でありながらビッグシルエットにアップデートさせています。

60sアーカイブからアイディアを得たスウェット。ヴィンテージライクなスウェットは近年製作していませんでしたが、ビッグサイズにすることで現代らしいアイテムへ昇華させています。オリジナルに忠実なプリントを通常より大きいサイズで施し、当時は脇接ぎの無い丸胴ですが、それではルーズフィットが表現できないため脇ハギを同色ステッチで極力目立たない様に仕上げています。

バギーシルエットにプリーツを入れることで、全体的にボリュームを持たせたワイドテーパーデニム。大きめのデニムのウエストを絞って穿いているのをイメージして製作しています。普通のワイドデニムより独特の丸みが出て、フィッティングの良いビッグシルエットになりました。

STYLING POINT
by TEPPEI (STYLIST)

このスタイリングは着用しているアイテムがすべてビッグシルエットになっていて、〈レッドウィング〉のブーツで足元までボリューム感を意識しています。MA-1や音楽家モチーフにも語れるポイントはあるのですが、一番はケミカルウォッシュのバギーデニム。普段のマイサイズから2〜3インチアップさせて作るシルエットがジャストサイズで表現されているので、テクニックがいる着こなしが簡単に楽しめます。アクの強い色落ちでもシルエットがこなれている分、新鮮に受け取ってもらえるのではないでしょうか。

06

CHECK FLANNEL SHIRT × MILITARY SWEATSHIRT × BALLOON CARGO PANTS × BERET × NEW BALANCE 996

CHECK FLANNEL SHIRT × MILITARY SWEATSHIRT × BALLOON CARGO PANTS × BERET × NEW BALANCE 996 × 

CHECK FLANNEL SHIRT × MILITARY SWEATSHIRT × BALLOON CARGO PANTS × BERET × NEW BALANCE 996 × 

CHECK FLANNEL SHIRT × MILITARY SWEATSHIRT × BALLOON CARGO PANTS × BERET × NEW BALANCE 996 × 

KEY ITEMS
ITEM DESCRIPTION
by MOTOKI YOSHIKAWA (BEAMS Men's Casual Director)

オリジナル配色のネルシャツ。シャツといっても従来の着方ではなく、アウター感覚で羽織れるようにビッグシルエットにしています。そのため、袖は太くとり、レイヤードしやすい設定となっていますが、衿ぐりや袖口は適度なゆとりは取りつつも、だらしなくならないよう調整しています。

コットンリップストップのストレッチ素材を使用したルーズフィットカーゴパンツ。裾のドローコードを絞ることで、太めのスウェットパンツを穿いているかのような丸みのあるボリュームシルエットに変化します。目を引く、ランダムに配置された多様な大きさのポケットが特徴。

STYLING POINT
by TEPPEI (STYLIST)

ベースはミリタリーテイストのシンプルなコーディネートですが、オーバーサイズのネルシャツを主役に小物で色を加えて遊びを利かせてみました。帽子の色はシャツのチェック柄からピックアップして統一感を。ビーニーではなくニットベレーをチョイスしているのもポイントです。足元にはカラフルな〈ニューバランス〉を合わせることでアクティブな印象に仕上げています。このサイズ感のネルシャツってヴィンテージではなかなか見つからないですし、合わせに使うと現代的で面白いと思います。

DIRECTOR’S VOICE
by MOTOKI YOSHIKAWA (BEAMS Men's Casual Director)

今、なぜビッグシルエットなのか?

古着をジャストサイズで着るヴィンテージブームが最高潮となり、古着が高値で取引されるようになった90s前半、その同時期に流行ったのがバギースタイルで服を着こなすスケートボード、HIPHOPを筆頭とするストリートファッションでした。

この時のカルチャーやスタイルに衝撃を受け、今でも自分の中に軸として残っています。

最近のオーバーサイズブームの中で、当時の懐かしさを感じていたのですが、過去の焼き増しではなく、ただビッグシルエットを作るでもない。オーセンティックなアメカジや古着からインスパイアされるアイテムがビックなシルエットながら、現代的な素材や仕様にアップデートされていたら新しいアメカジが表現出来るのではないかと感じ、今季のビックシルエットのテーマが生まれました。