FEATURE

2022.03.21

【Vol.2】わたしの“つづく服。” 洋服を永く着る。永く愉しむ。

性格も好みもライフスタイルも千差万別だけど、服が大好き!と心の底から叫べるのがBEAMSみんなの共通点。そんな服好きたちが考える、洋服を永く着る、永く愉しむこととは…?

BEAMSの様々なレーベルのスタッフがバトンを繋ぎ、思い入れのあるアイテムをそのストーリーと共にご紹介する連載、「わたしの“つづく服。”」第二回目は「BEAMS COUTURE」。BEAMSの倉庫で眠るデッドストック品などに手作業で新たな命を吹き込み、個性豊かな一点物へと蘇らせるレーベルです。その “自分だけの特別な1着”に魅了されるBEAMSスタッフがレーベルの精神に通ずるお宝アイテムをお披露目します。

BEAMS COUTUREの原点となるコートとファーストコレクションのシャツ

BEAMS COUTUREデザイナー 水上路美

子供の頃、時々母が私の服を手作りしてくれていました。その頃の記憶なんてほとんどないのですが、その手作りのワンピースや鞄のことは、なぜかはっきりと覚えています。そしてそんな母の愛がこもった洋服をきっかけに、「私も誰かの記憶に残る服を作りたい」という想いが湧き上がり、<BEAMS COUTURE>の立ち上げに至りました。
「記憶に残る服。ずっと消えずに記憶の中で続いていく。」
「人と人とを繋ぐ服。その服がきっかけで出会えたご縁が、ずっと続いていく。」
「アップサイクル。眠っていた服が蘇り、また光を浴びて続いていく。」
<BEAMS COUTURE>の根源にあるのって、まさに「つづく服」なんですよね。私の想いを注いだ<BEAMS COUTURE>によって生み出されたものが、その想いとともに誰かのもとで輝いているというのは、最高に嬉しいことです。手に取ってくださった方にとって、どうしても捨てられないような、永く大切にしたいと思える服作りを、これからも続けていきたいと思っています。 そんな私の「つづく服」は、<BEAMS COUTURE>立案の際にプレゼン用に作ったコート。全て私が過去にビームスで購入した私物を使ってリメイクしました。もう1つは念願のファーストコレクションの中から、メンズのシャツをリメイクしたもの。男性らしいディティールを、いかに女性らしくアップデートし<BEAMS COUTURE>の世界観に落とし込むか、試行錯誤してできた渾身の一作です。 どちらも<BEAMS COUTURE>の原点となる、そんな思い出深いアイテムです。

 
 
BEAMS COUTUREのトートバッグとビスチェ

ビームス ジャパン スタッフ 李未玲

「廃棄される服を1点でもなくしたい」。そんな想いや洋服に対する愛情に共感し、<BEAMS COUTURE>が大好きになりました。何らかの理由で着られなくなった洋服も「そのまま捨てる」という選択をするのではなく、「まだ愛するためにどう着るか?」を考える。<BEAMS COUTURE>を愛用しているうちに、自分も自然とそんなマインドになれた気がします。
そしてそんな大好きな<BEAMS COUTURE>の中でも、特にお気に入りのアイテムがこの2点なんです。まずは私のファースト<BEAMS COUTURE>であるトートバッグ。元々旅行先や美術館などで売っているお土産屋さんのトートバッグを集めるのが趣味だったこともあって、こちらにも一目惚れ。買ったばかりのシワひとつないトートバッグと違い、くたっとした使用感、そして何よりフラワープリントと手刺繍入りの唯一無二な存在に心を奪われました。
ビスチェは女心をくすぐるフリルと、リボンでキュっと結んで仕上げる仕様が可愛さ100%!女の子に生まれてきたからにはいつでも可愛くいたいですよね。とはいえあまりに甘すぎるのもなあ…というさらなるわがままにも答えてくれたのが、このメンズライクな生地との組み合わせでした。アンバランス感に、見るたびにキュンとしてしまいます。
誰かにとって要らなくなったものも、こうして素敵に生まれ変わって私の手元にあると思うと、一層愛着が湧きますね。お客様にお勧めしたアイテムを永く愛していただけるようなサポートをすることも、私たち販売員の使命だと思っているので、今後もその洋服への愛を一人でも多くのお客様に伝えていきたいです。

 

 
BEAMS COUTUREのマスクとトートバッグ

ビームス ウィメン 原宿 井上あおい

実は<BEAMS COUTURE>の存在は、私がビームスに入社したきっかけの1つでもあるんです。眠っている商品や生地に一手間を加えて可愛く生まれ変わらせるなんて本当に素敵なことで、それを手に取る人も特別感を感じ、愛着が湧いて長く手元に置きたくなりますよね。そんな作り手の想いがこもったアイテムを、少しでも多くのお客様に届けることができる販売員になりたいなと思ったんです。
「思いやりマスク」は商品名に惹かれて買いました。商品名にある「思いやり」には、「デッドストックの生地を使用した地球への思いやり」と、「大切な周りの方への配慮となる思いやり」、2つの意味があるんです。今やマスク1つ取っても沢山の選択肢がある中で、こんな素敵な「思いやり」を持って生み出されたマスクを私は選びたいなと思いました。
もう1つはトートバッグ。お店に入荷してきた約20点の中から、もともと赤いマークがプリントされたバッグに、青とシルバーの花のプリントを乗せたものにビビッときました。使っていくうちに赤いマークが気になりだして調べたところ、どうやらドイツの金融機関のロゴで、きっと新聞屋さんが年始にくださるタオルと同じテンションで出回っていたものかなと察しました。推測ですが、以前の持ち主にとってはなんてことない貰い物も、私にとっては可愛い可愛い特別なバッグ。使うごとにじわじわ愛着が増しています。沢山洗ってクタクタになってしまいましたが、それでも愛用中です!

 
 
尊敬する先輩からのおさがりワンピース

経営企画部 東谷弥生

忘れもしない、2017年の冬。これまでの自分のキャリアの中で一番の転機である出産を控えていた私。バイヤー・ディレクター時代に精神面でいつも頼らせていただいていた<Vermeerist BEAMS>ディレクターの犬塚さんに、出産の激励品として頂いたものの1つです。産休まであと数日という時に、デスクの上に素敵なお手紙とともにこれが置かれていました。包を開けてみると、犬塚さんが大切にセレクトされているブランド<manish arora>のお下がりでした。「いやいや、こんな高価なものいただけません!」というわたしに、「是非あなたに引き継がせて」と犬塚さん。私がバイヤーになりたての頃から、会うといつもいつも自分のことは二の次で、私の心配をしてくださったり、自分の好きなものを貫き通すことの大切さを身を持って教えてくださり、本当にお世話になっていました。犬塚さんを超えることは絶対にできないけれど、このワンピースを手に取ると、「常に自分に嘘がないか」、「ファッションを楽しんでいるか」、「洋服に愛を持っているか」を問うてくれる、大切な大切なお洋服です。そして敬愛する先輩が自分のために繋いでくれたというそのストーリーも宝物です。
今改めて考えてみると、「自分らしくいられるもの・表現できるもの」という観点では<BEAMS COUTURE>のお洋服にも同じことが言えると感じています。誰かがそのアイテムに注いでいた愛を引き継いで新しい愛を生み出し、独自の世界観で自分を表現する。デザイナーの水上さん自身にそんな「愛」があるからこそ生まれたのが<BEAMS COUTURE>なのだと。私も犬塚さんや<BEAMS COUTURE>から刺激を受け、今では自分の服を娘用にアップサイクルしたりしています。「愛を繋げる過程」を、これからも大切にしていきたいですね。

 
 
自分で作ったワンピース

ビームス 町田 スタッフ 加藤 沙織

友人の結婚式に合わせ、思いきって手作りしたワンピース。買おうかと悩んだドレスはあったのですが、袖のボリューム感や丈がイマイチで…。「自分で作ればいいじゃん!」と3日くらいで大急ぎで作りました。一番のお気に入りは、緩やかなラウンドにしたフロントの切り替え部分。こだわり抜いたディティールは、スタッフやお客様から褒めていただくことも多く、着ているだけでテンションが上がります。自分で作る服はもちろん全てマイサイズで作るので、ジャストで着ることができるのは私だけなんですよね。1番似合っていると思うとドキドキします!洗濯機でも洗える生地なのですが、洗う際は丁寧に手洗いで。これからも永く大切に着たい1着です。
元々服飾系の学校に通っていたこともあり、洋服への愛情が深い私。そんな私が<BEAMS COUTURE>に惹かれるポイントは、古着やデッドストックなどのいわゆる「お古」をベースにしているけれど、それとは感じさせない全く新しいものに生まれ変わらせているところです。私もそんな<BEAMS COUTURE>から影響を受け、最近祖母からもらったヴィンテージの洋服からバッグを作り母にプレゼントしました。見知らぬ誰かから祖母へ、そして母へ…。私の手によって形を変え、受け継がれていくなんて、とっても素敵なことですよね。

 

インスタグラムライブ開催!
「BEAMS COUTURE」ラバーなスタッフが「わたしの“つづく服。”」を語ります
2022.03.30 19:00〜 @beams_couture

PROFILE

  • BEAMS COUTURE

    BEAMS COUTURE>は、BEAMSの倉庫に眠るオリジナル商品のデッドストック品を中心に、手仕事によるリメイク手法を用いて、新たな価値を持った1着へと甦らせるブランド