FEATURE

垣根をなくした
自由なファッションは
楽しく「つづく」へ繋がっていく
地球に、人に、動物に優しいことを、と言われるとなんだか壮大で難しそうだし、建前だけじゃ続かない。
でも、ワクワクを諦めたくない私たちにだってほんの少し視点の切り替えをするだけでできる何かはきっとあるはず。
そんな“つづく”のリアルなヒントをBEAMSスタッフの日常から切り取る連載企画。
今回登場するのは〈BEAMS BOY〉バイヤーの川相健太郎。
レディースアイテムや古着も上手にミックスするボーダレスな彼ならではのファッションの楽しみ方をご紹介します。
『Borderless Shop by BEAMS(ボーダレスショップ by ビームス)』は“誰がどんな服を着てもいい – Borderless”をコンセプトに、性別やジャンルを越えてビームスの商品をキュレーションする新プロジェクトです。2018年12月よりスタートした、ビームスの新たなチャレンジプロジェクト『TANE.MAKIグランプリ』で挑戦権を得て2021年から始動しました。プロジェクトメンバーの6人は全員、元々は同期の店舗のスタッフ。ビームスの商品は様々なレーベルごとの展開で区切られていることが多く、もちろんその良さもあるけれど、メンズを女性が着ることもあればその逆もある。休日と平日ではまったく違う服を着るお客さまもいらっしゃる。恥ずかしいからと「プレゼント用で」と言って自分用に買われている方も…。とお客さまの視点で考えてみると、ジャンルやルールを取っ払ったお店があってもいいんじゃないか、と考えたのがこのプロジェクトを立ち上げたきっかけです。実際、去年と今年の始めに2回開催したポップアップショップでは6人でビームスの全レーベルから、ジャンルやジェンダーに囚われずに商品を選定し、さらに普段ビームスでは取り扱うことの少ない古着もミックスして構成しました。お店には学生やファミリー、ビームスのことをご存じないような方など様々なお客さまがフランクにいらっしゃり、楽しんでくださっている様子がとても新鮮でした。カップルで来た方も既存店だとメンズフロア、レディスフロアに分かれて商品を見てレジで合流なんていうことが多いのですが、ひとつのものを一緒に見る光景をたくさん見られたのも嬉しかったです。
「ショッピング目的ではないお客様にもアットホームな空間で楽しんでいただける場を作りたくてショップには大きな60年代のソファと自由に書けるノートを置きました。キッズが絵を描いてくれたり、ふらっと来店されたご夫婦や、海外の方がお店の感想をお店の感想を書いてくださったり…。居心地の良い空間だという感想もたくさんいただいたのが印象的でしたね。長居してくれるお客さまも多かったです。」
「毎回店内作りにテーマを設けているのですが、今回は“ホームパーティーシーン”がイメージ。80年代のカラーパレットでクラッカーやチェッカーフラッグのシート、ミラーボールなどで装飾しました。」


この日の接客スタッフはプロジェクトメンバーのひとりである「ビームス 銀座」スタッフの中川裕希と、普段は「ビームス ウィメン 原宿」スタッフである高木千春。プロジェクトメンバー以外にも賛同してくれるスタッフの参加を募り、担当レーベルの垣根を超えた様々なメンバーでプロジェクトを盛り上げている。
ジャケット/pierre cardin *used
トップス/Champion *used
パンツ/Champion *used
インナーシャツ/maturely
ソックス/International Gallery BEAMS
シューズ/ Tony Lama
『Borderless Shop by BEAMS』第三弾
開催期間:2023年2月17日(金)~2月26日(日)11:00~21:00
開催場所:reload 下北沢
「今は仕事でボーダレスなファッションについて取り組んでいますが、プライベートでも夫婦でボーダレスに楽しんでいます。女性がメンズアイテムを着ることはよくあるけれど男性がレディースアイテムを着るのは珍しい、なんて言われることもありますが、サイズ感が合えばまったく気にならないし、むしろレディースアイテムの方がデザインが自由でしっくりくるものがたくさんあるんです。なので、夫婦で洋服を見に出かける時もジェンダーに関係なく一緒に、が基本ですね。」
そんな川相夫婦の共有アイテムコーデを紹介してもらいました。
Item 1 ジャケット
共有アイテム:ジャケット/YSL *used(メンズサイズ)
(左) トップス/used
スカート/used
メガネ/used
タイツ/used
シューズ/ Tony Lama
(右)
インナー/used
パンツ/Dries van noten
シューズ/GUCCI *used
Item 2 シャツ
共有アイテム:シャツ/Demiluxe BEAMS
(左)
ジレ/used
スカート/Dries van noten
シューズ/used
(右)
トップス/Champion*used
パンツ/Dries van noten
シューズ/GUCCI*used
Item 3 ボーダーカットソー
共有アイテム:トップス/BEAMS BOY
(左)
ワンピース/Cecilie Bahnsen
ソックス/Unknown
シューズ/HIROSHI TSUBOUCHI
(右)
ジャケット/used
パンツ/used
シューズ/CONVERSE
環境のことを考えて選んでいるわけではないのですが、夫婦共に古いものに惹かれがちで、家具や洋服は基本的に古いものばかり。例えば、古い靴をよく買うのですが、買ってそのまま履くことはありません。必ず磨いて、自分のものにしてからと決めています。メンテナンスをすることも昔から好きなので、時間を見つけては持っているもののケアをしてゆったりと休日を過ごすのも楽しいです。
「靴の手入れは着古したTシャツで。ビームスの入社時に社長から新入社員へプレゼントしていただくシューズケアキットをずっと大切に使っています。」
「美術館やアート展などでもらったチラシは捨てずに壁に貼ってインテリアに。たまに眺めてはそれぞれの日の出来事や感じたことを思い出すのも楽しいです。」

「一番長く使っているのはインディアンジュエリー。これも学生の頃から、使い古したTシャツで定期的に磨いてケアし続けています。」
turquoise(中央上)/used
バングル(右)/Orville Tsinnie × BEAMS PLUS
その他/SUNSHINE REEVES × BEAMS PLUS
これからの私の”つづく”
タイダイ染めなど、着なくなった服を染めることに挑戦してみたいなと思っています。オフラインのイベントが再び開催できるようになってきた今、フリマの開催もしてみたいですね!
Kawai ‘s recommendation list
Patagonia公式サイトのアクティビズムページ
SDGsへの取り組みの先駆者的な存在である〈Patagonia(パタゴニア)〉の地球を保護、環境を守るための活動内容などが分かりやすくまとめられています。世界中の活動家から寄せられた環境活動レポートは1つ5分ほどで読み終えられるので手軽に情報収集ができるのも魅力。。https://www.patagonia.jp/activism/
WESTON VINTAGEプログラム
履かなくなった自社ブランドの商品を下取りし、工場でリペアして生まれ変わった靴を販売する〈J.M. WESTON(ジェイエムウエストン)〉の取り組み。自分自身、シューズのリペアをよくするきっかけとなったサイトです。。https://jmweston.jp/vintage
シューリペア工房
よく行く「西武渋谷店」のシューズリペアのお店。古い靴を買ったらまずここでヴィンテージの革靴のソール交換をしてもらった後、自分で色を入れたり、磨いたり、クリーニングをしています。https://ethical-conveni.com/
PROFILE
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Kentaro Kawai 川相健太郎〈BEAMS BOY〉 バイヤー
1996年岡山県生まれ。学生の時「ビームス アウトレット 倉敷」にてアルバイトを始める。大好きなアメリカ古着をルーツとしたオリジナル商品を多く取り扱う〈BEAMS BOY〉に憧れを抱き、店舗スタッフとして配属された後、バイヤーに。94年式『ユーノスロードスター』の愛車に乗り、屋根を開放してドライブすることが休日の楽しみ。
Photo:Yuri Hanamori Direction:Takako Shirasawa