FEATURE

“モノを愛する”とは
ただとっておいて眠らせるのではなく
形を変えて長く使うこと
地球に、人に、動物に優しいことを、と言われるとなんだか壮大で難しそうだし、建前だけじゃ続かない。
でも、ワクワクを諦めたくない私たちにだってほんの少し視点の切り替えをするだけでできる何かはきっとあるはず。
そんな“つづく”のリアルなヒントをBEAMSスタッフの日常から切り取る連載企画。
今回登場するのは 〈こども ビームス〉と〈B:MING by BEAMS〉キッズのディレクターを務める南村麻美。
2人の娘の子育てと、キッズレーベルのディレクターとしての仕事、それぞれでの気づきを相互で上手に活用している彼女のライフスタイルにフィーチャーします。
「子育てをしていて思うのですが、子どもの服って可愛いしこのサイズ感は今しかないと思うとついついお店でも手が伸びてしまうけれどすぐにサイズアウトしてしまうんですよね。ただ、もったいないと思いながらも子育てに忙しかったり私のように不器用だったりで自分でリメイクするなんて夢のまた夢。だからといって、捨てるというわけにもいかずそのまま…という子育て中のママによくある悩みを少しでも解決できたらと、ハンドメイドのブランド〈lusikka(ルシッカ)〉のサンディさんにご相談してみたところ快く引き受けてくださり、〈こども ビームス〉でリメイクイベントを始めることになりました。昨年2022年秋の第1回目がとても好評で、ご要望もあり今年の春には第2回目を実施し、自分じゃできないからとても助かる、子ども服屋さんでこういったサービスをしてくれるところがなかなかないから嬉しいという声をたくさんいただきました。私自身もこの機会にサイズアウトしたカットソーのセットアップをお昼寝クッションにしてもらったのですが、娘たちが『あの時に着てたあの服だよね!』って。洗ってあってもどこか安心する香りがするらしく、家でよく抱きしめているのを見て、手前味噌になってしまいますが、“服育”にも繋がる良い取り組みだなと改めて思いました。リメイクというものがもっと日常的に広まってくれればいいなと思うので、これからも定期的に開催していきたいです。」
南村
トップス/used
スカート/used
次女(中央)
トップス/BONTON
長女(左)
アウター/used
思い出のある服をどんなものへとリメイクするか、親子で一緒に選ぶ時間から楽しい。リメイクに施す刺繍も糸の色から選べるので生まれ変わった後は更に愛着の湧くアイテムに。
カチューシャやヘアゴム、バッグ、クッションなど様々なアイテムにリメイク可能。一番の人気は洋服のフロント部分をポケット状にして、ヘアアクセや洗濯バサミなどの小物入れにできるウォールポケットハンガー。
【イベント情報】
『REMAKED BY Kodomo BEAMS 〜〈lusikka〉に相談しよう〜』
詳細はこちら:https://www.beams.co.jp/special/tsuzukufuku/20230303-remaked-by-kodomo-beams-2/
※次回開催は〈こども ビームス〉インスタグラム( @kodomo_beams )や「こども ビームス」の店頭でお知らせします。
「フリマが大好きで、買い物だけでなく自身もよく出店者して参加します。休日に都内で開催されていると聞くとどこにでも行きますし、海外に行くと蚤の市は必ずチェックします。特にインテリアは飾っている小物や家具など、新しく作られたものではないものばかり。まだ使えるものは大事に使おうという母から受け継いだ考え方を娘たちにもきちんと理解してもらいたいと考えています。それはインテリアや服だけでなく、食も同じ。『食べ残すことはもったいないし、ゴミを減らすことは地球を守ることにも繋がるよ』ということは食事のときはもちろん、SDGsに関する絵本を一緒に読んだり、体験施設に足を運んだりして日常的に伝えているつもりです。通っている保育園もそういった意識がとても高いので娘たちも“つづく”を自然に取り込んでくれているような気がしています」
南村
ワンピース/ B:MING by BEAMS
次女(中央)
トップス/ B:MING by BEAMS
パンツ/ B:MING by BEAMS
長女(左)
トップス/ B:MING by BEAMS
パンツ/ B:MING by BEAMS
「家の中で一番古いのはこの写真の左側に写っているラタンのベビーベッド。南村家が代々使っている40年以上前のものです」
次女
トップス/ B:MING by BEAMS
パンツ/ B:MING by BEAMS
「子どもたちが使わなくなった洋服やおもちゃはよっぽどのことがない限り捨てるということはしません。ご近所や親戚、友人の子どもなどに譲れるよう、こうしていつもストックしています。次は誰々にあげようね』と娘たちにはしっかり説明をしてから譲るようにしています。譲った相手は大事に使ってくれているかなぁ、、と会話をしながら思い出話をする時間が好きです」
家には“つづく”を子どもたちに伝えるための本がたくさん。
二人が着ているTシャツは子どもの頃から“つづく”のマインドを当たり前のように持ち合わせて欲しいという思いから南村がグラフィックアーティストのNOAA氏に依頼して生まれたTシャツ。
Tシャツ(どちらも)/ B:MING by BEAMS
「これは娘たちへ義理の母が贈ったハンドメイド。すべて義母の家にあったハギレで作っています」
家に配送された荷物の入っていた段ボールを子どもたちのおもちゃに。自由に装飾した段ボールハウスは姉妹2人のお気に入り。
南村
トップス/used
ワンピース/used
次女
アウター/B:MING by BEAMS
パンツ/B:MING by BEAMS
これからの私の”つづく”
普段から絵本は中古を購入することが多いので、今後「絵本交換会」のようなことができたらいいなと考えています。読まなくなった絵本を持ち寄って交換することで“つづく”になりますよね。また、幼いうちからグローバルな視野を持つことも“つづく”の第一歩。体験型のワークショップなどを通して遊びながら学べる機会を増やしたいです。
Namura ‘s recommendation list
“つづく”に関する絵本たち
『いのちのつながり』(中村運/福音館書店)
『ともだち』(谷川 俊太郎/玉川大学出版局)
『たべもの なにからできている?』(and EIGHT/交通新聞社)
娘とよく読んでいる絵本の一部。子ども向けの絵本ですが、大人が読んでも考えさせられるようなことがたくさんあります。
景丘の家
公式サイトhttps://kageoka.com/
恵比寿にある『景丘の家』は子どもも大人も楽しみながら学べる“つづく”のヒントが沢山あります。ワークショップも頻繁に行われていて娘と一緒によく参加しています。
ITOCHU SDGs STUDIO KIDS PARK
公式サイトhttps://www.itochu.co.jp/ja/kidspark/index.html
こちらも、子どもたちが遊びを通して、SDGsの考え方を体験できる施設。
子どもと楽しめる体験型の施設の情報はよくチェックしています。
PROFILE
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Asami Namura 南村麻美〈こども ビームス〉・〈B:MING by BEAMS〉キッズディレクター
2004年 BEAMS入社。店舗スタッフ、レディースVMD、〈B:MING by BEAMS〉のレディースディレクターを担当後、 産休・育休を経て、姉妹の母に。復職後は〈こども ビームス〉と〈B:MING by BEAMS〉キッズの 2レーベルのディレクターを務める。趣味はこども服とインテリア!週末は家族でどこかしらの公園で全力で遊んでいます。
Photo:Kazuhiro Fukumoto〈TAKMI〉Direction:Takako Shirasawa