FEATURE

【Vol. 3】わたしの “つづく服。”洋服を永く着る。永く愉しむ。
性格も好みもライフスタイルも千差万別だけど、服が大好き!と心の底から叫べるのがBEAMSみんなの共通点。そんな服好きたちが考える、洋服を永く着る、永く愉しむこととは…?
BEAMSの様々なレーベルのスタッフがバトンを繋ぎ、思い入れのあるアイテムをそのストーリーと共にご紹介する連載、「わたしの“つづく服。”」
第三回目は「BEAMS BOY」。 展開する多くのウェアがメンズ服にルーツを持ち、長く大切にできるアイテムが揃うと評判のレーベルです。
自分好みへとアレンジを加えていく過程の楽しみをよく知るスタッフたちならではの、スペシャルな一着とその魅力をお伝えします。
お手製のリメイクで自分好みのスペシャルな一着に
〈BEAMS BOY〉 ディレクター 浅山風子
古着で購入したものの、目立つところに染みがついてしまい着られずにいた無地のスウェット。高額なものではないし、部屋着にするか、もう捨ててしまおうかなと思った時に、アーティストの方が「自分好みのプリントスウェットが無いのでペイントしました。」とSNSでアップされていて、「なるほど!」と思い自分もやってみました。
落書きをしたり、スウェット素材の羽織りが欲しかったので思い切ってボディをカットしてみたり、少し長さが中途半端だったのでリブ部分を断ち切ってみたり….
アレンジを繰り返し、自分好みにリメイクされて行くプロセスががとても面白く、着なくなった服が自分だけのスペシャルな1着になる喜びを感じました。
そんなアレンジを効かせたアイテムと一緒に合わせたボトムスは、〈BEAMS BOY〉で取り扱っている〈BUZZ RICKSON’S(バズ リクソンズ)〉のデニムトラウザーパンツ。もう何シーズンも前から〈BEAMS BOY〉で展開している定番品ですが、色褪せず、いつ履いてもスタイルが古臭くならない。流行に左右されずに、普遍的なアイテムも大事にしている〈BEAMS BOY〉だからこその魅力と共に今回のスタイリングを組みました。
「可愛い!」だけではなく、長い年月をかけて今もなお愛され続けるモノの揺るがないディテールや、奥にある背景やストーリーもまた、普遍的なアイテムが持つ魅力の一つで、〈BEAMS BOY〉の物作りにおいてとても重要なポイントです。私たちはそこに魅力を感じますし、お客様にも洋服だけではなくそういった付加価値を〈BEAMS BOY〉のフィルターを通して届けたいといつも願っています。
そんな思いのこもったモノだからこそ愛着が湧いて永く大切に着たいと思いますし、普遍的なアイテムはいつ着ても自分のスタイルにマッチしてくれると考えています。それこそ、ブランドとして25年間愛されている〈BEAMS BOY〉らしい『つづく服。』だと感じます。
このトートバッグも、穴が空いてしまった部分を塞ぐために付けたワッペンをきっかけに、缶バッチやピンズをどんどん増やして自分好みの仕上がりになりました。
元々裁縫などの細かい作業が苦手なので、「上手に、綺麗に、想像した通りに」を期待して始めると、すぐに心が折れそうになってしまいます。
納得が行かないと、「向いてないな〜」と感じてしまい、嫌になってしまいますしね!
幸い自分は“ヘタウマ(整い過ぎていない)”な風合いに魅力を感じるタイプなので、気負い過ぎずいつも気の向くままにチクチク縫っています。
普段から古着が好きでよく見に行きますが、誰かが落書きした後や、自分で縫ったであろう痕跡などを見るとときめいてしまいます。そういうものって大体は完璧じゃなくて、どこか歪。手縫いのガタガタ感だったり、普通のマジックペンで描かれていたり。その不完全さに何とも言えない可愛らしさと温かみを感じます。
そういう自分だけのお気に入りポイントがあるアイテムは、手放さずに愛用し続けたいです。
思い入れのあるスカートと娘へのお下がり服
「ビームス ボーイ 原宿」 ショップマネージャー 山崎結
自身が長く着ているアイテムといえば、デニムの上に合わせている〈ORTEGA’S(オルテガ)〉のスカートです。BEAMSでアルバイトから社員になった2007年の入社式で着用したもので、自分の体型に合わせてサイドのコンチョ位置を付け替えながら今も着続けています。入社式の他にも、自身の結婚パーティーでは〈ORTEGA’S〉のドレスコードを設けるほど思い入れのあるアイテム。また、一緒に着用しているインディアンジュエリーは昔から大好きで、大切な日に身につけるようにしています。思い出が詰まったアイテムと一緒に今後もずっと着続けたいですね。
〈ORTEGA’S〉やインディアンジュエリーにも通ずることなのですが、〈BEAMS BOY〉で展開する服には元々ルーツがあり、昔から着続けられているデザインだからこそ、飽きずに長く着られるのだと思います。いつ着ても古臭くならないのは〈BEAMS BOY〉ならではのポイントです。
古着収集が好きなので色んな物を買いがちですが、本当にときめく物を購入することで飽きなく永く着ることができると思います。古いものは生地も薄くなっていることが多い為、大切に着るには全て手洗いや余計な成分が少ない洗剤などを使用し、ほつれや破れなどは迷わずプロにお任せ。気に入ったアイテムを大切に切るためにケアもこだわっています。
また、 お気に入りの昔着用していたアイテムでコンパクトサイズの服は子供に愛用してもらっています。今後も自分の子供に引き継いで大切に着てもらえたら嬉しいなぁと思います。
家族に引き継がれてきたアイテムたち
「ビームス ボーイ 原宿」 スタッフ 津藤理佐子
もともと母の兄が着用していたデニムを母が貰い、私が受け継ぎました。デニムの色褪せ具合や柔らかさ、腿部分や膝の内側のダメージ具合に、2人分の歴史を感じます。自分の中で服を永く着るコツは、“丈夫なもの”、“繰り返し着る”ものを選ぶことです。デニムが好きな理由もそこにあります。
デニムのように、〈BEAMS BOY〉の服はミリタリーやワーク、スポーツなど、元々体を動かす際に着る服だったアイテムがたくさん。だからこそ、作られるお洋服は耐久性のある素材・ディテールのものが多いです。永く着るコツは、丈夫なものを選び、繰り返し着ること、と言いましたが、これを体現できるのが〈BEAMS BOY〉の服。素材や作りが頑丈なもので、飽きがこないデザイン。もちろん、その時々で「着たい!」と思う服を購入することもありますが、結局長く持ち続けるのは、デニムやミリタリーパンツなど、頑丈で、ベーシックなアイテム。お気に入りのものが着れなくなってしまうのはとても悲しいので、そう言った意味でも永く着続けることのできる〈BEAMS BOY〉の服は”つづく服”だと思います。
デニムに引き続き、ジャケットも母が私の幼い頃に着用していたもので、祖父と相談して購入を決めたアイテム。公園で遊ぶことが多かったため大活躍していたとのこと。ポケットの内側のフリースが取り外せるようになっていたり、ディテールにもこだわりがあるアイテムで、大雪の日や寒い地域に行く際に大変重宝しています。
中学生の時に見つけたおそらくハンドメイドのニットは今も冬のスタメン。これからも大切に着たいので常に手洗い必須です。よく見ると”CITY BOY WE HOPE TO ALWAYS HAVE AN OPEN MIND”と書かれているお手製のタグも付いていて、そんなところも愛情を注ぎたいと思わせます。
古着のメモリアルパンツとヴィンテージのシューズ
「BEAMS BOY」 バイヤー 川相健太郎
トップスのボーダーカットソーは〈BEAMS BOY〉のオリジナルアイテム。計算されたビッグシルエットがお気に入りです。2年ほど前に購入して数えきれないほど着用を繰り返し、日焼けや退色をして、よりいい雰囲気に。着れば着るほど愛着が沸いてきます。オーセンティックなデザインでいつものコーディネートに欠かせない1着です。
ボーダーのカットソーに“柄オン柄”で合わせたのは、古着のメモリアルパンツ。70年代のパンツにおそらく生産期とは別の年代にハンドペイントされてます。ジャストサイズで、ボタンが繊細なので良く飛びますが、なんどもつけ直しながら着ています。お直しやリメイクなどの、既製品から長い年月の中で人の手が加わりより良い雰囲気になった古着が好きです。またハンドペイントも手作業ならではの味のある雰囲気が〈BEAMS BOY〉の服とも相性がよくヘビロテしてます。洗うと色抜けもするので、今後の経年変化も楽しみです。
アメリカ製の90年代の〈VANS(ヴァンズ)〉は、埃まみれの、汚れたそのままでは履けないような状態で見つけたのですが、シューズ用の洗剤で洗い、なんとか履ける状態にまでなりました。ソールも経年劣化でボロボロに剥がれていますが、スタイリングに抜け感をだすために、あえて生かしたまま履いています。
ヴィンテージの〈GUCCI(グッチ)〉のローファーは購入時は色も抜け、ソールもすり減っている状態でボロボロでしたが、自分で補色して磨き綺麗にしました。ソールも張り替えて小雨でも履けるような仕様にしています。
自分の手によって小まめに磨き手入れをすることで、命が吹き替えることが嬉しくて、より愛着を持つことが出来るのも古着の醍醐味です。
〈BEAMS BOY〉の服はベーシックなデザインでありながら、歴史のあるヴィンテージのアイテムやディティールに敬意を示しつつも、ありそうでなかった、どこか遊び心のあるデザインやストーリーが魅力だと思いますし、僕も商品企画をしていくうえで大切にしています。だからこそ長く愛用できますし、着用していく中で一緒に10年20年と歴史を刻んでいけるような“つづく服。”だと感じています。
PROFILE
-
BEAMS BOY
メンズ服の持つ強さと背景のあるデザインに憧れを持つ女性のために、1998年にスタートしたレーベル。ヘビーデューティーな服や定番として生まれたメンズ服、ものとして存在感のある服たちの魅力や着こなしを〈BEAMS BOY〉独自の視点を通して提案します。