FEATURE

【Vol. 5】わたしの “つづく服。”洋服を永く着る。永く愉しむ。
性格も好みもライフスタイルも千差万別だけど、服が大好き!と心の底から叫べるのがBEAMSみんなの共通点。そんな服好きたちが考える、洋服を永く着る、永く愉しむこととは…?
BEAMSの様々なレーベルのスタッフがバトンを繋ぎ、思い入れのあるアイテムをそのストーリーと共にご紹介する連載、『わたしの“つづく服。”』
第五回目は〈Ray BEAMS〉。BEAMS初のウィメンズレーベルとして40年前に誕生し、“Chic”な生き方、装い、くらし方を提案し続けてきたレーベルです。
旬とスタンダードを自由な発想でコーディネートする場で働くスタッフたちならではの、スペシャルな一着とその魅力をお伝えします。
憧れだった存在と共に歳を重ね、今や欠かせない相棒に
〈Ray BEAMS〉ディレクター 長塚理紗
その昔、職場の上司やお手本にしている海外スナップのモデルなど憧れの人たちの足元に必ずと言っていいほど選ばれていた〈Maison Margiela〉の足袋ブーツ。当時の私にとっては大人の女性の証のような存在で、いつかあのブーツを履きこなせるような女性になりたいと思い続けていたんです。
そして遂に約10年前の大晦日、1年間の目標を達成できた自分へのお祝いとして手に入れることに。
思い返してみると購入当初は、少し背伸びをした特別な日のスタイリングに合わせることが多かったですね。
それから10年、モードな気分やストリートな気分、カジュアルなデニム気分の日など、自分の好みやスタイルは日々変化してきましたが、この〈Maison Margiela〉の足袋ブーツを合わせるということは変わらず、今では私の中の定番アイテムとなりました。
その魅力は、足袋型という一見癖のあるデザインなのに不思議とどんなスタイリングにもマッチし、少し物取りなさを感じた時にも程よいスパイスとなってくれるところ。
長年愛用しているので細かい傷やシワなどもありますが、一緒に歩んできた証だと感じて一層愛着が湧いています。
年齢を重ねていくことで私のスタイルはこの先も日々変化していくと思いますが、このブーツを相棒に様々なファッションをもっと楽しんでいきたい。日々のお手入れや定期的なソールの張り替えを自然と欠かさなくなったのも、そう強く願うからこそなのだと感じています。
自分の本質的な部分を思い出させる、一目惚れスカート
〈Ray BEAMS〉 バイヤー 梶原千織
上京したてだった7年前、先輩たちに高円寺の古着屋めぐりに連れて行ってもらった時に出会ってしまったヴィンテージスカート。「古着屋CASE」のガラス張りのウィンドウで天井から吊られているこの子をみた瞬間、一目惚れして店内に吸い込まれたことを今でも鮮明に覚えています。
値段も聞かず「このスカートください」と迷いなく買うなんてなかなかないこと。それほどまでに欲しい、今買わないと一生出会えないかも、誰の手にもわたってほしくないという、ときめきと古着ならではの感覚に、一期一会を感じました。
こんな風に直感的に素敵だと思ったものはトレンドなどに左右されない自分自身の本質的な部分じゃないかなって思うんです。だから、直感や一目惚れは私が洋服を選ぶ時のポイントのひとつとして大切にしています。
色々な情報や選択肢が溢れている時代ですが、自分らしさを忘れずに自分の感覚や選択を信じて愛してあげたい。
7年経った今でもうっとりと見惚れてしまうほど気に入っているこのスカートを目の前にすると、いつもそんな気持ちを思い出すんです。
いつかこのスカートを譲る日が来るならば、その想いとともに次の誰かに続いていくことを願っています!
1枚のブラウスが紡ぎ続ける洋服へのときめきと想い
〈Ray BEAMS〉 バイヤー 李未玲
上京して1年が経とうとしていた8年前の冬、〈Ray BEAMS〉で見た瞬間に「おばあちゃんになってもずっと着たい!」と心ときめいて購入したのがこの〈MIYAO〉のブラウス。
社会人1年目に出会ったアイテムだったということもあり、「洋服屋として洋服にときめく気持ちを常に持ち続けたい!」という入社当時の熱い想いを思い起こさせてくれる大切な一着です。
白いブラウスは誰もがひとつは持っているであろう定番アイテムですが、これはたっぷりと存在感のある袖のギャザーが魅力的で、袖を通すたび、クラシカルでありながら大胆なデザインに気持ちが高まります。
また、サッと着られるわけではないバックボタンという手間がより愛らしく感じられ、大切にしながら毎年数回着用してきました。
実はこのブラウスのブランド、〈MIYAO〉が〈Ray BEAMS〉40周年という記念の今年、私たちのレーベルでカプセルコレクションをローンチすることとなったんです。
そのアイテムたちもとても素敵で、携わらせていただいたことは個人的にも感慨深く、8年前にブラウスを購入した自分を誇りに思いました。
新たな〈MIYAO〉のカプセルコレクションも様々な方のつづく服になれば嬉しいです。
人、時代、想いを繋ぐ服たちとゆっくり歩んでいきたい
〈Ray BEAMS〉バイヤー 園井りさ
今回着用したブラウスは母から譲り受けた〈PINK HOUSE〉のもの。
実は母はいわゆる〈PINK HOUSE〉世代で、私と姉の幼少期のお出かけ用の服はこのブランドのものがほとんどだったんです。
私が今こうしてアパレル業界で働いているのもこの時期に“心が躍るようなときめき”を服に感じたことが大きく影響していて、〈PINK HOUSE〉は母と私、そして服と私を繋ぐ大切な存在だと感じています。
このブラウスはブランドのアイコンともいえるフリルとリボンの量と首元の空き具合が可愛いだけじゃなくエレガントさも醸し出しているところがお気に入り。
これからも母の〈PINK HOUSE〉愛を感じながらこのブラウスに日々を彩ってもらおうと思います。
合わせたスカートは2024年春に〈Vermeerist BEAMS〉にて開催された〈Tanaka Daisuke〉POP UP SHOPにて受注生産されたもの。
元々〈Tanaka Daisuke〉の繊細なモノづくりやロマンティックな世界観のファンでコレクション感覚で集めているのですが、以前一目ぼれしたスカートに似ているアイテムがBEAMSで受注される!と知り、即決で予約をしました。
繊細なチュールとレース使い、まるで絵に描いたようなボリューム感や色合わせの大胆さ、と相反する一面を持つにも関わらずどこかしっくりくる、一生大事にしたいと思わせる唯一無二のスカート。
正直今は眺めるだけで幸せでまだ着用してお出かけできていないのですが、これから一緒に私と人生を歩む大切な一着になりそうです。
EVENT REPORT
1984年にビームス初のウィメンズレーベルとしてデビューした〈Ray BEAMS〉。
今年設立から40周年を迎え、皆様へ感謝の気持ちを込めて2月9日&10日に「ビームス ウィメン 原宿」、8月11日に大阪・南船場「Imagine&Design」にて 『Ray BEAMS 40th Anniv. Party』を開催しました。
設立時から現在に至るまでに〈Ray BEAMS〉をご愛顧いただいてきたお客さまやスタッフが集い、総来場者数は1000名超。
〈Ray BEAMS〉が歩んできた40年の歴史を感じていただけるコンテンツをご用意し、ご来場者との交流を楽しみました。
会場内では、〈Ray BEAMS〉が紡いできた歴史を年代別でスタイリングやカタログ、年表でご紹介した他、〈Ray BEAMS〉のオリジナル商材はじめ、時代毎のファッションのムーブメントやカルチャーをお楽しみいただける各時代を彩ったアイテムが勢揃い。
展示品の半分はスタッフの私物となり、購入した商品を今も大切に保管しているスタッフがいたからこそ実現したコンテンツでもありました。
また、〈Ray BEAMS〉とゆかりのあるブランドやアーティストとのコンテンツや、40周年だからこそ実現した別注商材の販売を実施。更に、展示やショッピングに限らず、音楽やケータリングなど、ブランドの歴史を体感しながら、様々な「イマ」提案したいモノ・コトをお楽しみいただいたイベントとなりました。
2都市で行った『Ray BEAMS 40th Anniv. Party』vol.1&vol.2に続き、vol.3を再び原宿にて開催予定です。
1年を通して実施してきたイベントの締めくくりとなる『Ray BEAMS 40th Anniv. Party vol.3』に是非ご期待ください。