ISSUE

Sweat

GUEST

Satoshi Suzuki

from LOOPWHEELER

2018.05.01

PHILOSOPHY OF BEAMS PLUS

VOL.03

<BEAMS PLUS>のワードローブになくてはならない
普遍的なアイテムを作ってきた識者たちの、
見解やエピソードから紐解く知られざる魅力。
それは過去の名品を未来のスタンダードへと
紡ぐために必要なストーリーであり、
<BEAMS PLUS>が大切にしたい新しいフィロソフィー。

vol.03

鈴木 諭(ループウィラー・代表)1959年、静岡県生まれ。少年時代に吊り編みスウェットの着心地に魅せられ、その後、繊維商社に就職。1991年に起業し、カットソーを専門とするOEM生産を手掛ける。一方、自身が愛して止まない吊り編みスウェット産業が存続の危機に瀕している事実を案じ、これを後世に残すべく “ 吊り編み ” の名を冠した自社ブランド<LOOPWHEELER(ループウィラー)>を'99年にスタート。現在まで続く吊り編みスウェット人気の火付け役であり、名だたるファッションブランドをはじめ、ナイキやベアブリック、スタジオジブリなど異業種とのコラボレーションも多数。
http://www.loopwheeler.co.jp/

スウェットの誕生から一世紀
ようやく次のフェイズの入口に来ている

考え得るすべてが叶えられた
最先端を行く夢の機能素材だった

「いつ、どこで、誰がスウェットを生み出したのか、僕が知る限りでは未だ解明されていません。ただ、1924年のパリ五輪にアメリカ代表チームが霜降りスウェットの上下を着ていた記録は残っています。ということは、おそらく '10年代の後半から開発が進められ、一部のトップアスリートの間で着られるようになったのが '20年代初頭だったと推測でき、当時は最先端のスポーツウェアだったということです。それ以前の運動着であった横編みのセーターの難点を抑え、保温性が高く、吸汗に優れ、洗濯もしやすいなど、あの時代における夢の機能素材だったと考えられます」

誰が言い出したのか知りませんが
ガゼットで汗が止まるなら苦労はない(笑)

「それからおよそ100年、劇的な進化はありません。細かな改良点では、袖付けがセットインからフリーダム、ラグランスリーブへと移り変わり、腕の可動域が広がり、あらゆる体型へのフィット性を高めながら生産効率が向上しました。加えて、よく語られるのは、ネック下に切り替えられたV字型のガゼットです。日本では “ 汗止め ” とも呼ばれますが、あれで汗が止まるなら苦労はしません(笑)。ヴィンテージでは珍重されるディテールですが、スウェット誕生当初のリブは伸縮性が乏しかったため、首下にもリブ編みの逆三角形のマチをハメ込んでストレッチ性を持たせた、というのが真実だと思います」

「ネックの前後にV字が配された “ 両V ” が最も古く、'50年代になるとフロントだけの “ 前V ” へと移行します。ただ、その頃には編み機も改良されてリブのストレッチバックが豊かになったため、実際はもうガゼットは不要でした。しかし、セーターや別のカットソーにはない特有の仕様ゆえに、スウェット然として見えるアイコンの役割も担うようになっていた。それで意匠としてフロントだけが残ったというのが僕の見解。さらに '60年代以降にはV字のデザイン自体が徐々に消滅しますが、これはプリントを載せる際に邪魔になったからだと想像できる。そして現代では、ヴィンテージを意識していないスウェットにも前Vが多く見られます。スウェットの象徴として再認識されている証でしょう」

「そして何と言っても、スウェットの命は生地です。そもそも使われてきた吊り編み機と呼ばれる機械は、糸に負荷を掛けず、ゆっくりと編み立てるのが特徴。その生地は空気をたっぷりと含み、ふんわりモッチリとした肌触りが気持ち良く、着込むほどに風合いが増します。しかし1時間に1mほどしか編むことができず、とても生産性の低い時代遅れの機械です。これに代わって '60年代中頃に登場し、現在まで主流となっているのが、大量生産が可能なシンカー機という高速編み機です。ただシンカー機の生地は風合いがまったく異なります」

細かな改良はあったけど基本は変わらない
まさに今、僕らが進化させているところ

「<LOOPWHEELER>は名のとおり吊り編み機にこだわり、それは今後も変わりません。とはいえ、古き良きスウェットの再現だけでなく、この素晴らしい旧式の機械を活かして新しいことはできないかと模索・研究しています。先にも触れたとおり、スウェットはディテールや編み機の改良こそあったものの、基本の構造は昔から変わっていません。言うならば、今ようやく次のフェイズに入り、まさに我々が進化に挑戦しているところです」

ヘリテージ&コンテンポラリーが交差する
次代のスタンダードと呼べる逸品です

「<BEAMS PLUS>での取り扱いは2006年から。そのときイチから作り込んだ専用の生地が、現在まで10年以上も愛されている『LWミドル』です。それに続き、昨年の夏には新たな別注生地となる『LWエキストラライト プラス』を発表しました。暑くなる5月以降も着られるよう程良く薄手なので、トップスはブレザーなどの中にも重ね着でき、春夏秋は1枚着やアウターとして、真夏は冷房対策に使え、寒い冬はミドルレイヤーといった具合に、季節を問わず活躍します。こうした薄手のタイプはヴィンテージでは見たことがなく、通年で着られるという考え方も、ひとつの進化と言えます。ヘリテージを重んじながら、現代にフィットする新しいものを発信する<BEAMS PLUS>らしい、次代のスタンダードとなり得る逸品です」

Item Info.
LOOPWHEELER×BEAMS PLUSLW Extra Light+Sweat

ShortsColor : HEATHER GREY , OLIVE , DARK NAVY /
Size : S , M , L , XL / Price : ¥13,500(+tax)CardiganColor : HEATHER GREY , DARK NAVY /
Size : S , M , L , XL / Price : ¥17,000(+tax)
Short Sleeve Sweatshirt
Color : HEATHER GREY , OLIVE , DARK NAVY /
Size : S , M , L , XL / Price : ¥12,000(+tax)

ITEM LIST
Shop Info.

今回ご紹介したアイテムは<BEAMS PLUS>の各店舗で取り扱い中です。

BACK NUMBER
JPEN
PHILOSOPHY OF BEAMS PLUS

volume.03